【イベントレポート】「クールジャパンDXサミット2024 OKINAWA」が終幕 #CJDX2024

クールジャパンDXサミット2024 沖縄

〜ブランド戦略からデジタル活用まで、その全貌と未来を探る〜

クールジャパンDXサミット沖縄
  • 基調講演

「地域全体が潤う観光立県OKINAWAへの挑戦 〜インバウンド・アウトバウンド・ループの創出と稼ぐ力〜」

<スピーカー>

  • 内閣府沖縄総合事務局 運輸部長 併任 沖縄総合観光施策推進室長 星 明彦氏
  • クールジャパンDXサミットオーガナイザー 篠原 好孝

星氏は沖縄観光の課題に触れ、量から質への転換を方針に据え、基本計画もそれに基づき変更したと説明しています。「観光産業を儲けさせるものではなく、地域の持続可能性を向上させるものとして観光設計をしましょう」と述べました。

また、沖縄振興の成果と課題にも触れています。沖縄はインフラやITが整備され、雇用水準も全国を上回る伸びを見せていますが、県民所得は全国最下位で、失業率が高く、特に子供の貧困が深刻です。さらに、人口が本島と中南部に集中し、北部では人口減少が全国を上回る速度で進んでいると指摘しています。これらの原因として、移入と移出のアンバランスや所得構造が貧困の連鎖を生んでいることを挙げています。

基調講演
この連鎖を断ち切るためには、所得の高い人々が求める本質的な価値に着目し、スイスのように高付加価値の観光客(世界の資産家や企業家)を呼び込み、プライスレスな価値の提供と紐づく知恵、情報、資本の集積を高める必要があるとしています。そして、それらをループとして設計し、すべての要素が連動して持続的に稼げるようにすることが必要だと述べました。  

さらに、宮古島観光協会と協力して制作した動画を紹介し、「これが我々だと思います。沖縄のアイデンティティは世界で評価されると考えています」と述べました。

最後に、「沖縄、そして日本は世界にあるものを取り入れ、自分たちの人材、文化、社会を育てながら、世界に打って出て稼ぎ、中を肥やす国だったと思います。心豊かな社会を作り、そして世界に届けて行きましょう」と結びました。

  • スペシャルトークセッション1

「沖縄観光の高付加価値化と課題 〜インバウンド地域誘客の重要テーマやんばる、その魅力をどう伝えるのか〜」

<スピーカー>

  • 内閣府沖縄総合事務局 運輸部長 併任 沖縄総合観光施策推進室長 星 明彦氏
  • 株式会社ジャパンエンターテイメント 取締役 事業開発本部長 佐藤 大介氏
  • 株式会社XPJP 代表取締役/価値デザイナー/内閣府クールジャパン官民連携プラットフォーム ディレクター 渡邉 賢一氏
  • 一般社団法人今帰仁村観光協会 事務局長 横澤 一美氏

<モデレーター>

  • クールジャパンDXサミットオーガナイザー 篠原 好孝

スペシャルトークセッション1では、沖縄観光の高付加価値化と課題、特にどのようにして沖縄本島北部のやんばるの魅力を伝えていくかをテーマに意見交換をしました。

2025年夏に沖縄北部に開業予定のテーマパーク、JUNGLIA(ジャングリア)について、佐藤氏は「沖縄は美しい海だけでなく、北部には大地から溢れるエネルギーがある」と述べ、その魅力を活かして優雅で元気になる体験を提供したいと説明しています。また、JUNGLIAと周辺企業による大規模なインターンシップを通じて、高度観光人材を育成し、沖縄から日本の未来を創りたいと語りました。

株式会社ジャパンエンターテイメント 取締役 事業開発本部長 佐藤 大介氏

横澤氏は、テーマパークは高揚感のある「動」の世界であり、一方で観光協会は古くからあるやんばるの「静」の世界を守るべきだと述べています。両者が共存することで最初はテーマパークが目的地になりますが、何度か訪れるうちに周辺にも興味が湧き、その時に提供できるものを整えておくことが今帰仁村の役目だと述べました。

一般社団法人今帰仁村観光協会 事務局長 横澤 一美氏

星氏は、やんばる(今帰仁村)への入り口をJUNGLIAが作ると述べています。そして、今帰仁村だけでなく、訪れる人々をどのように周遊させて滞在してもらい、文化に触れてもらうか、その仕組みを作ることがDMOの役目だと述べました。

渡邉氏は、JUNGLIAや今帰仁村がこれからのモデルエリアを作る際に、どのように再解釈していくかが大きなチャンスだと述べています。日本の観光体験(エクスペリエンス)をさらに発展させるためには、この分野の専門家がもっと必要であり、国内で少なくとも千人以上の専門家が求められると指摘しています。また、そういった新しい概念についてみんなで話し合うことが重要だと述べました。

渡邉氏は、JUNGLIAや今帰仁村がこれからのモデルエリアを作る際に、どのように再解釈していくかが大きなチャンスだと述べています。日本の観光体験(エクスペリエンス)をさらに発展させるためには、この分野の専門家がもっと必要であり、国内で少なくとも千人以上の専門家が求められると指摘しています。また、そういった新しい概念についてみんなで話し合うことが重要だと述べました。

株式会社XPJP 代表取締役/価値デザイナー/内閣府クールジャパン官民連携プラットフォーム ディレクター 渡邉 賢一氏

また、Z世代を引き寄せるためには、バスの本数を増やす必要があるが、ドライバー不足やオーバーツーリズムの問題があることも議論となりました。

最後に、佐藤氏は世界中から観光客を呼び込むと同時に、沖縄を高度観光人材を育成する場にし、日本の未来を築くことがゴールだと語りました。

横澤氏は、地域の伝統を守りつつ、友好的な国際交流を通じて豊かさをもたらしてきた沖縄の魅力を伝えていきたいと述べ、星氏は今後とも一つずつ取り組むことで100年後に評価されるような行動を積みかせねていきたいと結びました。

  • スペシャルトークセッション2

「稼ぐ力を引き出す観光DX・データ利活用〜地域での実践事例から考えるデータの力〜」

<スピーカー>

  • 一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 企画・施設事業部 企画課 マネージャー 坂本 麻美氏
  • 一般社団法人沖縄市観光物産振興協会 事務局長 金城 諭氏
  • 一般社団法人宜野座村観光協会 事務局長 仲間 赴人氏

<モデレーター>

  • Vpon JAPAN 九州・沖縄支社長 妻夫木 友也

スペシャルトークセッション2では、「地域に稼ぐ力をもたらすデータとは何か?」をテーマに、坂本氏から『おきなわ観光地域カルテ』について説明を受けました。

沖縄県が保有している入域観光客数は県全体でどのくらいの人が訪れたか分かるが、地域目線だと、その地域にどのくらいの人が訪れ、どこに来ているかが分からないと具体的な対策が立てにくいため、これらの地域課題に対処するレポートを提供していると述べました。

仲間氏は、毎年2月に阪神タイガースがキャンプ地とする宜野座村で、お客様を地域経済にどのように巻き込むかを考え、観光協会がスポーツ店と協力してスポーツグッズを販売し、地域経済に1ヶ月で1,000万円以上の収益をもたらす仕組みを構築した事例や、観光客が2月以降に減少した場合の対処策を、データを分析しながら検討していることを紹介しました。

金城氏は、沖縄市の観光戦略について、以前は先人たちの経験と現場の勘に頼っていたが、データの導入により裏付けができるようになり、これをスポーツツーリズムに活かしていると述べました。しかし、現状ではサポーターが試合後に北谷町や那覇に移動して滞在するため、今後はこれらのお客様をどう取り込むかが課題であると述べました。

最後に、仲間氏は、データの活用が日本の未来を変える力を持っており、持続可能な村づくりを通じて宜野座の魅力を発信したいと述べました。金城氏は、沖縄に住む全ての人がデータを上手く活用して収益を上げられるようになることを望んでいると語りました。坂本氏は、地域の現実を本当に変えるためには何が必要かを逆算の思考で考え、一つのアプローチとしてデータがあるが、他にも多くの手段があるとし、諦めずに向き合っていくことが重要だと締めくくりました。

本イベントは多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。今後も沖縄でのさまざまなイベントにご期待ください。

多くの企業・団体より後援、協力、協賛をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

協力、協賛企業・団体一覧(五十音順)

  • クールジャパンDXサミット2024 OKINAWA開催概要

– 開催日時:2024年6月6日(木)14:00-16:40(13:30開場)

– 開催会場:O2 OKINAWA OFFICEイベントスペース

– 沖縄県那覇市泉崎1-20-1 カフーナ旭橋A街区 那覇オーパ3階

– 参加費:無料

– 開催方法:会場・オンライン同時開催

– 運営事務局:Vpon JAPAN

– オフィシャルサイト:https://www.cooljapan-dxsummit.com/2024-okinawa

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