こんにちは、Vpon JAPANの篠原です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は妻の実家がある山口県柳井市に滞在し、瀬戸内のハワイといわれる周防大島などを訪れ自然の中で過ごし、この記事もそんな自然に囲まれた環境の中で書いています。
さて、令和時代が始まりました。日本国内に限らず海外が高い関心を示す今回の改元ですが、私も普段海外の人たちと仕事をする機会が多いため最近よくこの話題になります。
新しい時代が始まる節目として、日本が世界のロールモデルとして存在感を高めていくために、我々Vpon JAPANが掲げるビジョン「ニッポンとセカイをつなぐ」の元、政府が重要政策として掲げるインバウンドの推進、その先に見据える観光立国の実現へ向けて、引き続き邁進していきたいと考えています。
先日、トラベルジャーナル4/22号の「DMOのためのデジタルマーケティング」という特集に寄稿しました。
私の担当テーマは「情報リーチのポイント」ということで、我々のこれまでの知見を活かして、ビッグデータを活用していかに届けたいユーザー(旅行者)に情報を届けるかという視点で書かせていただきました。記事自体はぜひトラベルジャーナル紙面にてお読みいただきたいと思いますが、特集全体を通してとても参考になる内容です。DMOに限らずインバウンド業界がマーケティングのデジタルシフトを図る中で、業界全体で頭に入れておきたい視点です。
今回の特集を通して、私なりにDMO向けのデジタルマーケティング推進の基本的な体制図を下記の通り整理しました。基本的な内容を網羅するにとどめているため、含まれていない要素があること、また各項目の詳細は省略しておりますことをご了承ください。
まず、JNTOとDMOの役割分担ですが、ここはまさに今議論が進んでいる領域です。
今回の特集でもテーマの一つとして取り上げられています。方向性としてJNTOにプロモーション機能が一元化されていくことについては概ね賛成です。日本全体の誘客を担うJNTOが一元的にプロモーションを展開していくことは効率的であり有効的なデジタルマーケティングのイメージが思い浮かびます。
そして、この役割分担を成立させるためには、DMOがプロモーションの適切なディレクションをJNTOへ展開できるかどうか、それが一つのポイントになりそうです。
プロモーションの適切なディレクションを実行するには、当然DMO側もデジタルメディアプランニング、またデジタルマーケティングそのものの概念について理解しておくことが必要になります。また、プロモーション対象となる観光地や魅力コンテンツの開発をDMOの各担当部署が実施し、その内容を部署を超えてDMO全体で共有、ブラッシュアップしていくことが求められます。
JNTOとDMOの役割分担が結果的にどういう形になったとしても、引き続き重要なことは現状把握、分析から次の一手を考察する仕組み自体はDMO側が整えなければJNTOのプロモーションも機能しないということです。
今、我々が全国をまわり、各地のDMOとお話しさせていただいている中で感じることは、この一連のデジタルマーケティングの仕組みの支援自体は我々Vponのようなソリューション提供事業者が担い、DMOはデータを活用した魅力コンテンツの開発や周遊ルートの開発に時間を割くことが理想ではないかと思います。
寄稿記事のタイトルが「データの整理さえできれば」となっていますが、まさに最初のデータ整理のところさえやりきってしまえば、あとは一連のサイクルが回り始めます。難しいテクニカルな話は事業者が担い、DMOは一番大切な訪日観光客を呼び込むコンテンツ作りに時間を使う、という流れです。
とはいえ、そこまで持っていくには時間が必要です。また、DMOの組織構造そのものを変えるくらいの音頭が取れる機能(チーム)が内部にあることが理想です。おそらくその機能そのものが将来的にJNTOと役割分担した際の、DMOとJNTOとの間のコミュニケーションハブになっていくのかもしれません。
JNTO、DMO、ソリューション提供事業者の三者間における、我々の現在の役割は、JNTOとDMOがスムーズに役割分担できるように、DMOに向けたデジタルマーケティング機能の提供、データベースの構築、データ分析ツールの作成などを行うことですが、そもそもなぜデジタルマーケティングが機能するのかといったことを、勉強会、セミナー開催を通じて、知ってもらうことだと考えています。
最後になりますが、DMOの効率的で効果的なデジタルマーケティング機能の実装に向けて、我々のようなソリューション提供事業者の役割は大きく期待の高さを日々感じます。全国を回り引き続き各地DMOと積極的なディスカッションをしていければと思います。5月は大阪で大きめのセミナーを大阪観光局さんと実施予定です(5/23予定)。6月は福岡、7月は札幌、8月は東京を予定しています。皆さまとお会いできることを楽しみにしています!