■概要
・JNTOの運営するVISIT JAPANのFacebookの台湾向け、香港向けページからユーザーの一定の傾向が見られた。
・いいねを押す季節傾向について、台湾人は5月6月にピーク、香港人は4月5月がピーク。
■背景
JNTOの運営するSNS(VISIT JAPAN)では対象国別にほぼ毎日、情報を発信していますが、前回(https://www.vpon.com/jp/sns-like/)に続いて、主にアジア圏のユーザーがどのような投稿にいいねやシェアなどのアクションを起こし、何に興味があるのかを調査しました。
■調査対象
前回同様にVISIT JAPANの台湾向けと香港向けのFacebookページの1年間(2018年5月〜2019年4月)の全投稿の各投稿内容(台湾538投稿、香港412)。および米国向けのFacebookページの4カ月間(2019年1月〜4月)の全投稿213投稿。
■結果(季節の傾向)
以下は台湾向けと香港向けページの1投稿あたりの平均いいね数です。
図1:月別の平均いいね数
台湾向けのページでは5月と6月にいいね数のピークがきています。7月〜9月はやや下がりますが11月に再び上昇している傾向が見られます。一方、香港向けのページでは4月5月がピークとなっており、台湾と同様に7月〜9月はいいね数が低い傾向となっています。
台湾と香港のフォロワー数やいいね数が異なるため、1月を100%として基準化したものが以下のグラフです。
図2:月別の平均いいね数(1月を基準に標準化)
台湾と香港を比較すると、概ね近い増減のグラフになっていることが分かりますが、台湾のピークが5月にきている一方で香港は4月にきているのは大きな違いです。香港は10月から12月の秋冬も次のピークがきているのも特徴的です。これらの要因を追求するために、実際の訪日客数と比較をしてみます。
図3:月別の訪日旅行客数(2018年)
台湾では4月から7月の期間にピークがきており、9月に減少しています。これは通年の傾向になりますが、比較的航空券も安く桜などの花見にもいい季節が人気です。6月7月は大学生の夏休み時期とも重なり旅行が活発な時期といえます。しかし日本と異なり9月が新学期の始まりであるため直前の8月9月は減少する様子もみられます。
香港からの日本旅行は全体的平坦な推移になっていますが、5月から7月あたりはやや増加し、9月は台湾と同様に減少しています。
この訪日客数といいね数のグラフを比較すると、春先(4月〜6月)は共通して増加している様子が見られました。SNSの投稿内容や写真に影響を受けていることはもちろんですが、真相心理として「旅行に行きたい季節」と「いいねを押したくなる心理」が同期していることは非常に興味深いです。
一方、9月が減少する傾向も訪日客数といいね数は連動しており、台湾人や香港人にとってテンションの上がらない季節と言えるかもしれません。
■まとめ
台湾と香港向けのFacebookページを中心に、どのような投稿に反応しているかを検証してきました。
共通した結果として、実際の訪日客数の動きと同様に4月から6月にいいね数が活発についていました。一方、9月はこちらも訪日客数と同様に減少する結果となりました。やはり人の心理として、いいねを押す気持ちと実際の行動には関連性が高い様子が伺えます。これは台湾や香港に限らず、日本人にとっても無意識のうちに「いいね」と「旅行の行動」は紐付いているのかもしれません。
※本記事はVISIT JAPANのFacebookページをVpon JAPANが独自分析したものになります。