インバウンドデータサミットイベントレポート【前半】

ンバウンドデータサミット

9月6日(金)にザ ストリングス表参道で開催しましたインバウンドデータサミットは大盛況のうちに終了いたしました。

インバウンドデータサミットでは、インバウンド関係者を300人限定で招待し、データを使ったこれからのインバウンド対策を話し合う場として、全国各地の観光団体が各地域の課題や対策事例などをテーマにトークセッションを繰り広げたほか、インバウンドデータを提供する側であるデータ事業者が一堂に会してトークセッションを行いました。

今回は様子をレポートとして、前半と後半の2つに分けてお届けします。

前半は挨拶と基調講演編です。

■挨拶

Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長 篠原 好孝

まず、Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長 篠原好孝よりご挨拶を申し上げました。2014年に設立した当時から今日に至るまでのpon JAPANの歴史とインバウンドにおけるデジタルシフトについて述べました。その後観光立国の重要性ととともに今後のVponの展望として1億人の旅行者ビッグデータを起点としたアジアインバウンドデータプラットフォームを目指すことを宣言しました。

インバウンドデータサミット2

Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長 篠原 好孝

■基調講演

公益財団法人 大阪観光局 マーケティング戦略室 室長 牧田拡樹氏

基調講演では(公財)大阪観光局 マーケティング戦略室 室長 牧田拡樹氏より「大阪におけるマーケティング事業紹介」をテーマにお話をいただきました。

インバウンドデータサミット3

公益財団法人 大阪観光局 マーケティング戦略室 室長 牧田拡樹 氏

Osaka Night Out施策の実施

現在の大阪のインバウンド状況を見てみると大阪を訪れた訪日外国人11,420,000人のうち東アジアが75%を占めているそうです。その中でもリピーターが多く訪れているとのことで、そのうち飽きられてきてしまうのではないかという危機感から新たな施策を考えていく必要があるとして、Osaka Night Outという施策を打ち出し、実証実験を行うこととなりました。

大阪の課題として訪日外国人は夜22時には訪日外国人はホテルに帰ってしまうのだそうです。

そこで大阪観光局は実証実験として訪日外国人向けのクーポンを発行して、Osaka Free wi-fiを活用した動向調査とプッシュ広告の配信、さらにアンケート分析というデジタルとアナログの両面で半年間効果検証を行いました。

その結果、欧米と韓国からの訪日客は夜遊ぶ一方で中華圏の訪日客は少ないということがわかりました。さらにクーポンへのアクセスはほぼクラブに集中したこと、プッシュ広告では夜に一部分のエリアに広告を配信した結果、1ヶ月で1000人の集客がありました。その一方で加盟店へのアンケートでは集客数が上位じゃない店でも満足度が高かったが集客数が上位だった店では満足度が低いところもあったことも判明したということで、これらの実証実験の結果を経て、今年の2月から本格スタートをしたとのことです。

 

大阪観光局DMP

大阪観光局ではVpon JAPANと大阪観光局DMPを作成しています。DMP作成の目的として以下の4つが挙げられると語りました。

1. 旅マエの段階で外国人がどんな形で大阪観光局が運営しているサイトにアプローチしているのかを知りたい。

2. 大阪についてのデジタル広告を見て本当に大阪に来たのかというのを知りたい。

3. 訪日外国人が一体どういう回遊をしているのかを知りたい。

4. 旅行中にどこでお金を使ったのかを知りたい。

大阪観光局ではコンテンツプロモーションをして、そこから無関心層から予約をして大阪に来てもらうというようなそれぞれのフェーズに合わせてDMPの中に格納しています。

最終的に「ペルソナ像の確立をDMPでやっていくこと」「DMPからコンテンツの造成をすること」「有効的な広告を発地と着地で行うことで消費のトレンドを見ること」を可能にし、消費の活性化とモデルコースの作成を行うことを目標としているということです。

 

DMPを活用した市町村マップの作成

現在、DMPを活用して大阪府の市町村マップを作成しているそうです。市町村ごとにどこが強みでどこが弱みか、そしてどこを強化したらいいのかをDMPで出すことを目標としていると述べました。

例えば堺市は世界遺産に登録された百舌鳥古墳群もあることから、訪日外国人の集客を頑張っている市の一つであるとして、堺市にはどれくらいの外国人が来ていて、どこにお金をかけているのかというのをクロス分析していて、堺市が今後やっていく施策ではこういう国の方に向けてやっていくといいですねというものを出す試みを行っているということです。

牧田氏は「動線があって、消費額があって、満足度があって、拠点があってというとこを全部DMP側で作って、各市町村の観光施策の役に立てていただくことができればと思います。」と語りました。

また、訪れる外国人の95%が大阪市内に集約していることから一極集中しているところをどう分散させていくのかというのかということが課題のようで、それも合わせて市町村マップを使っていくと、どこがストロングポイントなのか、どこがウィークポイントなのかをわかった上で観光施策をやってもらうことが重要ではということでDMPを作っていると語りました。

日本におけるインバウンド対策はデジタルシフトが進んではいますが、まだまだアナログが領域が多く発展の最中にいます。その中で、Vpon JAPANがデジタルな面でお手伝いをすることができるのか。それが私たちの課題でもあります。

その中でも大阪観光局様とVponが行っているデータを活用したインバウンド対策をより多くの方に知っていただき、全国の自治体、DMOの皆様にもぜひ活用していただけたら幸いです。

次回は後半トークセッション編をお届けいたします.


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